amazarashiインタビュー
このアルバムでようやく素のamazarashiになれた気がします

 独特かつ圧倒的な世界観で聞く人を魅了するamazarashi。ニューアルバム『地方都市のメメント・モリ』は、これまでとは違った作品に仕上がったようだ。

「一生を懸けて音楽の仕事をしていくとしたら、僕なりのライフワークとしての音楽への取り組み方があるんじゃないか、そう思いながら作ったアルバムです。これまでのコンセプチュアルなものを捨てて、より生活に寄り添う音楽にしたい、と。
 最近、常に終わりを想定して、残された期限で何ができるのか考えるようになりました。今作のタイトルに“死を想え”とか“死を忘れるな”という意味の“メメント・モリ”を入れ込んだのも、そういった思いからです。同時に、僕が住んでいる青森での生活も、描きたい重要な点でした。最終的に、地方に住む人たちへの賛歌になれたらと考え、このタイトルになりました。サウンドは、僕が昔好きだったバンドを意識して作りました。よりダイナミックなバンドサウンドを感じてもらえると思います。
 今までは、どこか肩肘を張っていたし、世の中に爪痕を残さなくてはならないと気負っていた部分もあったのですが、今作を作り上げることでようやく素の自分、素のamazarashiになれたかなと思います」

 すべてが力強く、メッセージ性のある楽曲なので、カラオケでは難易度が高いのでは? と思いがちだが、本人いわく、そうでもないらしい。

「例えば、一人カラオケで『ワードプロセッサー』を叫んで歌ったら、ストレス発散できると思います。
 他にも、『フィロソフィー』は社会人への応援歌のつもりで作ったので、そういったシチュエーションに合うのではないでしょうか。この曲で気に入っているフレーズは、『なりそこなった自分と 理想の成れの果てで 実現したこの自分を捨てる事なかれ』というところ。’17年のツアーで毎回やっていたポエトリーリーディングから拝借した歌詞です。あのツアーがなければこの曲は生まれなかった、という証しのように思えて気に入っています。
 歌う時は、一定の音程で言葉が続く箇所が多いので、そういうところは感情を込め過ぎず、機械になったつもりで歌うと音程が安定すると思います。安定していなくても、人間らしく歌った方が僕は好きです」

 また、『空に歌えば』も人気の楽曲の一つだ。

「この曲は、悔しさも屈辱も連れ立って未来へ向かおうという曲です。負の感情を無くすのではなく、それを原動力にして前に進むというのは、僕らが実際に体験してきたことです。それがメッセージとして伝わったらうれしいです。とにかくテンポが速くシンコペーションの多い曲なので、カラオケでは、4分頭でリズムを取りつつ裏拍もしっかり意識するといいと思います」

 最後に、amazarashiの楽曲をどんなふうに聞いてもらえたらうれしいかを尋ねてみた。

「人それぞれで構いません。特に今回のアルバムは僕のパーソナルな部分も多いので、共感してもらえるかどうか難しそうですし。でも、もしどこかしら引っ掛かる箇所があったら、その人とはきっとこれからも長い付き合いができるんじゃないかと思っています」

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